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デザインという仕事/木田淳子さん 対談 第一部

デザインという仕事/木田淳子さん 対談 第一部

 

デザイナーの木田淳子さんとの対談記事を3部に分けてお届けします。

 

~デザインという形で伝える想い~

 

こちらの動画を文字起こししたものです。

合わせてご覧ください。

 

 

ぱんだ:デザインをお仕事にされている木田淳子さんをお招きして、お仕事についていろいろ聞いてみたいと思います。

 

そして、デザインを形に表すというのはお客様のニーズに応えていくと言うことなんですが、そのニーズをどう満たすとかということも深く質問してお話いただこうと思います。

 

木田さん:三重県でグラフィックデザインをしています、木田淳子と申します。

ロゴマークのデザインや、パンフレット、看板、ホームページなど要望にお応えしていろいろデザインさせていただいています。

 

 

デザインという仕事

 

ぱんだ:グラフィックデザイン、デザインについて素人なりに聞いてみたいこともありますのでよろしくお願いいたします。

 

お客様が求めているもの、ニーズに応えていくということは、デザインというものに限ってはわたしでは100%応えられないと思うんです。それを100%形に表して満足いただくということができているのは、わたしからすると驚異的なことなんですけども。

 

木田さん:答えがあってないようなものじゃないですか。だから何度も話を聞いたりしながら、お客さんのお客さんはどんなお客さんが多いのか、かわいらしいものであって欲しいのか、高級感が出したいのかなど、その物にあった感じやお客さんのお客さんが求めるものを聞きながら、だんだん正解に近い形のものを作っていくという感じです。

 

ぱんだ:それはお客様に対して聞くということを繰り返すことなんですが、木田さんが伝えたことに対して正しく返ってこないこともあると思うんですけども。

 

木田さん:すごくあります。

 

ぱんだ:それはどういう風に修正をしていくんですか。

 

 

木田さん:ちょっと違う角度で聞いてみたりだとか。 例えばお客さんのお客さんに聞いてるんだけど 、私はピンクが好きだとか花柄が好きだとか違う答えが返って来たりして、その商品やお客さんに花柄が合うのかとかその辺りをもう1回聞いてみて、シンプルな方が合うのかとか、やっぱり花柄で合うのかとかを聞きながら、だんだん商品に向かっていくと言うか。

 

頼んでくださっているお客さんの個性も大事なので、やっぱり花が好きだと言うのであれば花を入れた方がその人らしさが出る場合もあるので、聞きながら合わせてくっていう感じです。

 

ぱんだ:「商品に向かっていく」という、私にはとても印象深い言葉がありました。商品に向かっていくというのをもう少し細分化して聞かせていただけますか。

 

木田さん: 例えば昔ティッシュ箱デザインのコンテストがあって、花柄のティッシュ箱という募集だったらしいんですが、それに花柄抜きの無地に近いので出した人がいらっしゃって、その人が選ばれたんです。結局、インテリアに花柄は必要なのかという主張が通って。お客様の言った、その方が可愛らしいとか花柄でとかを、わたしが無視して全く違う答えを出す場合もあるんです。もちろん花柄の案も出すし、その人の商品はどうしても花柄じゃない方がいいと思えば違うのを出す、ということをして見てもらったりしながら、どっちが商品に合うんだろうと一緒に考えて、という感じでだんだん。

 

どんな風に見られたいかとかに向かっていくという感じが、 商品に向かっていくという感じだと思うんです。

 

ぱんだ:例えば可愛いのが好きとか花柄が好きと伝えたのに、全く違うものが出てきた時お客様の反応はどんな感じなのですか。

 

木田さん:すごくいいねとなる場合もあれば、もうちょっと可愛いのがいいって言われる場合もあるんですけど、一応可愛いのと両方見てもらうことで全然違うということにはなりにくい感じにしています。

 

ぱんだ:そういうことを細かく修正をしたり説明をしたりしながら商品に向かって行くということですね。

 

結果的には皆さん満足されると思うんですけど、たくさんの方の満足を導き出すというのは、デザインする側が、例えば知覚が広いというのが私にはとても必要条件だと思うんですけれども、そういうことはご自分では意識してされているのですか。

 

木田さん:広げたい広げないととは思っていますけれども、全然自分の引き出しのない物が来たらそのジャンルについて勉強しつつ、どうしても無理ならお断りすることもあるかもしれないなと思いながら、今のところはお断りしていることはないという感じです。

 

 

ぱんだ:お話をしてて柔軟と言おうか、こだわることが少ないなと思うこともあるんです。 お仕事に関してはこだわることがあると思いますが、誰かが言ったことが自分にとってあまり フィットしていなくてもそれを否定することもないし、そうなんだとかそういうこともあるかも、みたいに柔軟に受け入れているように思います。それは幼い時からそうだったのか、社会に出てお仕事をするようになってそこを自分で鍛えたり磨いていったんですか。

 

木田さん:幼い頃から受け入れていたような気がします。こういう考えもあるのかみたいな。

 

ぱんだ:いい悪いとか、間違っている正しいというところまでは行かずに、ただ単純に、そういう考え方もあるんだとか、あるよねというところで終わっているんですね。

 

木田さん:自分にとって正しいとかこうあって欲しいとかこっちの方が美しいとかはあるんですけど、相手がそうじゃないとか違う気持ちを持っていることは全然否定はしません。ド派手なのが好きな人もいればシンプルなのが好きな人もいるし、好みはいろいろだなというところで受け止めています。

 

ぱんだ:好みは本当に人によって様々あると思うんですけども、やることとしてはお客様の中にある思いやニーズをデザインという形に表していくということだと思うんです。

 

木田さんにとってデザインというのはどのようなものなんでしょうか。

 

木田さん:その方の思いとか、こう売っていきたいというのを分かりやすく伝える形にするという感じです。

 

ぱんだ:「分かりやすく」というのがまた私にとって印象深い言葉なんですけども、もう少しだけ内容を細分化していただけますか。

 

木田さん:手にとって、これは高級感があるなと思ってもらえるように作れていたら、それは高級感が出ているって言うことですよね。誰が見てもパッと可愛いね、というものだと可愛らしさが表現できているって言うことです。

 

それを高級感もありつつすごく使いやすそうなものだなというものなのか、ちょっと贅沢品だなっていうものなのか消耗品なのかとかが、説明しなくても見てわかるようにデザインしたいっていう感じです。

 

 

ぱんだ:完成したデザインによって「分かりやすい」というのは伝わってきたんですけど、その過程は私からするとめちゃめちゃハードルが高いように思うんです。それは自分でそういう基準を勝手に作ったんですか。

 

木田さん:勝手に作っているし、その過程は大抵お客さんに説明もしていないことが多いです。なんと言うか高級感があるように作りましたよ、とか高級感ありますよねって見てもらうと先入観が入ってしまうんじゃないですか。お客様に見本を出して、わあすごい高級感がある感じになった、と言って見てもらわないとそのデザインは失敗だと思っているので、できたらあまり説明はしたくないんです。

 

見た感じで自分の意図が伝われば、きっとお客さんのお客さんにも伝わるであろうと思うので、 聞かれたら答えるんですけれど、あまり自分からは補足説明をせずに、一回デザインを見てもらうという風にしています。

 

 

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デザインへの思い、探究心

 

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