診療所の事務長、カウンセリング、コーチングをされいてる渡邊正徳さんに、NLPを軸にお話をお聞きしました。
第二部では自分がしたことの感謝と自分がしてもらったことの感謝についてお話しいただきました。
第三部は使命天命のお話です。
ぱんだ:自分がやったことが成果を出すとか、それで他人が幸せになるって、社会にとってすごくいいことだとは思いますが、どこからか使命とか天命というものに興味を持って、なにか壮大なことをしないと生まれてきた、生きてきた意味がないと考える人が増えてきました。日々コツコツとやることがそこに繋がるということを知ってもらって、どこかで使命天命に出会えるといいよねと思うんです。
どういう考え方をすると使命天命に出会える確率が上がるんでしょうか。なにかアドバイスいただけますか。
渡邊さん:最近僕が感じてることですが、一番大事なのは今この瞬間だということです。今が自分の集大成で、すべてが感謝だと気づくことが使命天名に一番近づくことだと思います。
自分の感情や潜在意識を知っていくことや、話している言葉が未来を創っています。そう考えると過去の自分が望んだことや願いが、今の体や環境、すべてを作っています。今この瞬間は今の自分は喜んでないかもしれないけれど、過去の自分は望んで今ここを作ったのです。
だからもし目の前で悪いことが起こったとしても、過去の自分が願ったことだと気づくことができれば捉え方が変わります。過去のネガティブだった自分の思いが、今起きた出来事で回収された。今この瞬間は最高のものだと気が付く。使命天命に気づくと決めたのなら、今この瞬間の大切さに気が付いていく必要があります。
ぱんだ:わたしの考え方のひとつは、過去の出来事に引きずられている人は、体は今の時間にあるのに、心とか物思う自分が過去のその時点にいるからそれが分離している状態で、今を十分満喫できないというものです。
不遇だな、パッとしないな、でも10年後、20年後はお金をいっぱい稼いでウハウハしたいと思っているのも、体はここにいて、ウハウハしている自分が未来にいるからこれも分離してると思います。どちらも今を十分に感じられないし満喫できないんだろうと思いますが、この不一致を起こしている状態も習慣化していくことで徐々に一致していくと考えていいですか。
渡邊さん:はい、習慣化していくというのはすごく強いですね。人は本当は感じているのに感じていないと思うのがとても得意です。ぱんださんは今椅子に座ってると思いますが、椅子の話をするとお尻の下に椅子がある事を意識したりして、体が今ここにある事を感じます。ですがすぐに意識は体以外に飛んで行ってしまいます。
習慣的に今ここに肉体があって、ここに居ると感じることにフォーカスしていくことができれば今ここにいることを習慣化することができていきます。
ぱんだ:今まで伺ったお話に共通しているのが、習慣化していくということだと思いますが、これはやろうと思えばやれることだから、皆さんやりたいことがあったらやるって決めてくれればいいってことですよね。
渡邊さん:はい。その通りです。
ぱんだ:こうしてお話をしていて、渡邊さんはわたしが話したり質問した内容を頭の中で整理して聞くことに長けていると思いました。幼い頃からその傾向があったのか、NLPを含め心理学など色々学んでいくうちに発達していったのか、どちらでしょう。
渡邊さん:僕の強味です。昔から説明が好きで、入ってきたものをかみ砕いてどう伝えるかというのが好きで、得意です。
ぱんだ:強味や得意じゃなくても、NLPを知っていろんな概念をインストールすることによって、その人なりに聞いて整理していくということは、誰にでもできそうですか。
渡邊さん:その観点で言うとできます。NLPは元々対人コミュニケーションにかなり効果的なんです。1980年代に高い成果を上げていたカウンセラーがいました。フリッツ・パールズ、バージニア・サティア、ミルトン・エリクソンの三名です。このカウンセラーたちと患者のコミュニケーションを観察するところから始まり、カウンセリングやビジネス、能力開発の分野でコミュニケーションが大きな成果をあげることがわかってきました。
NLPを学ぶことで相手の言葉から相手の事を深いレベル理解し、言葉だけでなく非言語のコミュニケーションを使って相手と繋がっていくことができます。
ぱんだ:NLPは元々欧米で発達したものだと思いますが、欧米人でスムーズにいくコミュニケーションスタイルやオリエンテーションの手法は、日本人と違ってくると思うんですが、渡邊さんはどう捉えていますか。
渡邊さん:僕も同じことを考えた時期があります。欧米の価値観では自己主張を大事にし、日本では調和を大事にする。だからだいぶ違うんじゃないかと思っていたんですが、実際に使ってみると結構成果が出るので驚きました。
不思議な言い回しが結構あって、例えば「それってどのようにしてやってるんですか?」というものです。聞かれた人は「えっ?」となりますが、実はこれがポイントでした。
ぱんだ:「えっ?」という一瞬の驚きや空白ができることで、日常その人が作っている固有のシステムに介入するという形ですね。空白を生む技術があるから、聞かれたことに対して考えよう、新しいことに対して真剣に考えようというモードになれるということですか。
渡邊さん:その通りです。NLPが変化を生む一番は、今まで考えずに答えが欲しいと思っていた人たちが、ちょっと考えてみようという風に変わる。考え始めると自分から動けるように変わっていけるのは大きなポイントだと思います。
ぱんだ:インターネットが発達し、特にスマホが普及して小さな窓口から世界に繋がれるようになったら、答えを自分で考えずに、探すとか聞くっていう側に行く人が増えてきたと思います。そういう人も自分で考える習慣をつけて、ああでもないこうでもないというルートを自分の中に作っていったら、それがその人の可能性を広げることに繋がりますか。
渡邊さん:繋がりますね。
ぱんだ:そうなると、先の話に出てきた、輝かしい未来とか求めるものに対しても意識が繋がりやすくなりますよね。そういう生き方をしていけるようにNLPはいろんな援助ができるということですね。
使命天命を求める人の話にもどりますが、そういう人達は壮大すぎて曖昧すぎるんです。だからせめて何か、目の前の具体性を持ったかたちを見つけて、そこに向かっていくための第一歩から始めるといいと思うんです。あまりにも曖昧すぎる人達は、考えるということで解消できるんでしょうか。
渡邊さん:はい、考えるっていうのはとても大事です。そして思考の力だけじゃなく感覚を使ったりもします。NLPでは特に五感の内の視覚、聴覚、体感覚を使います。
実は使命天命に気づくというワークがあります。それぞれの段階で気が付いていく、ニューロロジカルレベルという名前が付いています。
今いる環境は自分の行動で決まっている、自分の行動は自分の能力で決まっている、その能力は自分の価値基準で決まっている、その上の自己存在によってこれらすべてが繋がっている。というピラミッド構造になっているということを研究した人がいます。NLPでは自己の存在の上位がまさに使命天命に当たるところなんです。
そこを見ていったあとに、この使命天命を持っている人はどんな存在なのか、どんな価値観をもっているのかを明確にして、何が大事かがわかったとして、それが大事な人はどんな能力をもっているのか、どんな環境でそれを実現しているのかというように、段階を落としていくことによって、思考だけでなく、自分の中にあるものがイメージとして出てきます。
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